かんかん堂の お宮さま お猿が三匹 飛んできて
先のお猿も 物知らず あとのお猿も 物知らず
一番(いっち)の中の 小猿が よう物知って
鯰川へ飛び込んで 鯰一匹踏んまえて
手々で取るのも かわいそう 足(あいや)で取るのも かわいそう
杓子(おしゃも)の欠けが 流れて来たで それで取って 奥の間へ持ってって
チャクチャクチャクと刻んで あなたにも一菜(ひとさい) こなたにも一菜
嫁のが足らいで けんかができて けんかのなかで
お芋たいてやろか 南瓜(おかぼ)たいてやろか 芋も南瓜も そんなもんいらん
そんなら出てけ 何履いて出てこ
お爺さんのかんかん 片っ方(ぽ)と お婆さんのかんかん 片っ方と
履いて出てけ どっから出てこ
裏から出てけ 裏にお馬(んま)がおって 怖いわ
窓から出てけ 窓に竹の筒が あったれば
踏み破(わ)ってみようか 噛み破ってみようか
踏み破ってみれば 赤いお(着物)べべが十二枚 白いおべべが十二枚
誰に着せよか 太郎に着せよか 次郎に着せよか
太郎に着せると 次郎が怒るし 寺のおぼんの お稚児に着せて
馬(んま)ハイコ乗せて あっちの方へコロコロ こっちの方へコロコロ
あんまりコロついて 小麦団子落とした ひばりがみつけて とんびにやった
からすカアカと くやしがる とんぼは遠くに 飛んでった
現在も市販されている「滋賀のわらべ歌」(石田伊佐雄著)に、
楽譜と解説が掲載されています。